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SS置き場です、新規ページ作成でssをWikiに載せたら、ここにリンクオナシャス 狼族の少年「不死と家族とファイアワークス」 作:ペガ 時には昔の話を 作:ティルダ 「あれは今から450年前.....」 作:イグニス 朱雀〜封印された記憶〜 作:朱雀 ヴィーニュの過去 作:ダリア 「僕」の物語 作:ニッケル 第13回ギルドマスター代理とギルド支部長の定例会議 作:イグニス アウターマンVSグラナート 作:イグニス 市議会の様子 作:モスマン 彼は疲れていた 作:ティルダ 爆発はイグニスの優しさ 作:ティルダ Border Line・prologue 作:モスマン ハーフエルフの少年「ぼくらは少年ファイアワークス隊」 作:ペガ 星空の物語 作:ティルダ 神の火を巡る戦いの真実の記録 作:モスマン レンターは知らない 作:イグニス Fireworks/Zero 作:ティルダ とある吸血鬼の休日 作:ヴラァーダ イグニス「劇団ファイアワークス」 作:ティルダ まな板ワークス 作:ダリア 団長戦のヴィーニュ視点 作:ダリア ちくわ魔導銃の記憶 作:ティルダ マトリエル君襲撃シナリオ予告 作:モスマン 不死身の魔女 作:蓬 【悪魔】 作:モスマン 【邂逅】 作:クレア アラキの普通飯 作:イグニス 卵が先か 作:モスマン The time to destination 作:ペガ 突撃!お前が晩御飯! 作 サバイバ 【暗殺刃】 作 ネル 【世界の終わり】 作 モスマン
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SS@俺野良 幼女定義 246 名前: SS@俺野良 投稿日: 2008/04/20(日) 21 14 13.16 ID wjDjHVc0 幼男、幼女は人間の遺伝子を少しいじくった、容姿や頭脳は全く同じ人間 寿命は10~20歳 寿命が妙に長い幼男女が居た場合、それは商売の為に幼くさせられた人間 事故などで死んでも報道されない。 幼男女専用の墓はある。しかし飼い主が望めば、飼い主の家系の墓に入ることも可能 人間と幼男女との結婚は認められている 人間とのハーフの子供を産むことも出来る。そうして出来た子は、人間と変わらない 身長は伸び…るか伸びないかは不明 性欲は人間より盛っている 食べる物や飲む物は人間と同じ 幼男女を自分たちと同じ人間と主張する人は少なくない。
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第一回戦SS・水族館その2 円筒状にそびえ立つ吹き抜けの水槽は天藍石の塔と見紛うほど高く、青く。 魚達が鮮やかに花を咲かせそれを彩る。 腕時計に表示された文字は『戦闘空間:水族館』。 『急ごう、時間が無い』 山禅寺は持ち前のメフィスト流バリツ(※推理戦闘術)を構え、塔と対峙した。 ◆ ヒトデ、あわび、イソギンチャク、コバンザメ。 水着に酸素ボンベを背負い、飯田カオルの肢体を彩る海鮮類。 「ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく!!(ああ~っ不埒な女魔人が私の演説の邪魔をする~っ!)」 水着からチラ、と見せる陰部を、可愛らしいコバンザメが絶妙な張り付きで隠した。 「ウオオ―――ッ!」沸き立つ観衆!自慰を始める者まで出始めた。 「おげ―――ッ!」こみあげる嘔吐感に堪える山禅寺!「男なんだよね!?あの人」 『迷宮時計にはそう書かれていたな。「飯田カオル(65):男」……と』相棒のふっくんが答える。 男。飯田が新たな淫靡体勢を発明する度に、山禅寺の精神値が下がる音が聴こえるようだ。 「よし壊そう」山禅寺は襲いかかる観衆を払いのけると、飯田の泳ぐ水槽に近づいた。 全力の右ストレートをお見舞いする。ピシリ、と水槽に亀裂。 意外と堅い。何度か攻撃してようやく破壊できた。 水槽内、大質量の水がフロアに流出する。 「ぶくぶくぶくあああ~~れぇぇ」 「どすこ~い!」 酸素ボンベを背負った飯田と力士がフロアに押し流される。 人々の手を逃れ、山禅寺はフロアの二階へ跳んだ。 ◆ フロアの水上。案内板に乗り上げた二人。 (やはり、あの小娘……) 飯田は上階で観衆と戦闘する山禅寺を見物する。 (ワスの正体を知っているダスな?) むしろ好都合だ。 「……フーッ!」 唐突に耳元へ息が吹きかかる。「ひぃィッ!?」 振りかえると、力士だ。「……フーッ!」 「近い近い!離れてなさいよ!」 顔をビンタされ、力士は数歩下がった。「ごっつあんです!」 「……ったく」 力士は迷宮時計の欠片の腹時計だ。 普段は飯田につき従い、ビンタしない限り自発的な行動は起こさない。だが油断すると背後近くまで近づいてくる。 笑っているように見える細い眼も、その奥は笑っていない。不気味だ。 ビタン!と音がした。 興奮した魚が力士の頬に跳ね当たった音だ。 「おやつの時間でごわす!」力士が飯田に近寄る。 「ちょっとアンタ!勝手に動いてんじゃないわよ!」 ◆ 黒服の男がフロアの水面へ投げ落とされ、水しぶきが山禅寺の顔にかかる。 『急げショウ子、あと5分だ』 「ん!」 顔に張り付いたコバンザメを引き剥し、階下へ投げる。 観衆にも手練がいる。飯田へ近づく為、あと数十人の観衆を相手にしなければならない。 「ハァァ……」 武産推理。メフィスト流バリツは攻撃形態を問わぬ。自然との合気こそ道。 達人――セカイ系ともなれば、その個人の些細な所作が三千世界(全宇宙)の命運を決する。 (……ま、私は宇宙を運命づけれるような境地に無いけれど) 低下したステータスをカバーすべく、山禅寺はメフィストバリツを構えた。 ◆ 山禅寺の能力がステータスの振り替えであるならば、最も有効な手段は精神削り。 飯田は己のコネ、カネ、色香を駆使し、あらかじめ敵の素性を調べ上げていた。 「ああ~ッ!」飯田のM字まんぐりがえし!「敵の魔人能力が私にエッチなポーズをさせている~ッ!」 観衆が興奮!対する山禅寺は見るからに衰弱! 「所詮、世の中顔なのよ!」飯田は自嘲げに笑った。 体力や精神力に値を振り、それらが低下した場合、当然、合計ステータスは下がる。 (敵がワスの正体を知っていればこそ、このストリップショーは意味を持つ!我ながら複雑な気分ダスが……) 「……フ~ッ!」 そこへ、背後から息。 「ちょ、またアンタ!?いい加減に――」 「……おいどんは知ってるでごわす。おかみさんは素敵でごわす」 「…………は?」 巻かれたゼンマイの動力のやり場を失くしたミニカーのように、腹時計は興奮し叫んだ。 「おかみさんは!男でも素敵でごわすッ!!」 見れば、彼の額にはコバンザメが張り付き、狂ったように『ビンタ』を繰り返している。 ――山禅寺の投げ捨てたコバンザメだ。 「おやつの時間でごわすッ!」腹時計の情熱的なキッス! ◆ 「ぶちゅうううううああああッ!?」 襲われる飯田! 「今ッ!」動揺する観衆の隙を突き、山禅寺は跳躍した。 飯田と力士の使用していた酸素ボンベ。 ジェネレーターを外し、二本のホースを飯田の股ぐらに秘す二つの孔に挿入! すぐさまその場から退避! 「いっやぁぁあああぁ~~~~ッ!オカマッ!」 飯田の肉体がぷう、と膨らみ、パンッと破裂した!いや、破裂したのは本物の肉では無い! 驚く無かれ!美人国会議員の中から現れたのは、小汚い全裸中年男性! エッチなハプニング飯田カオルの正体は、ぶくぶくに肥満した65歳の中年ニート!肉皮ゲーリングだ! 「ゲ――――――――ッ!」 観衆が嘔吐!山禅寺も嘔吐!魚達は失神し、 自慰していた観客数名は上階から身を投げ自殺! なおこの事件が原因で、この世界における凶悪犯罪発生率は10%増大したという。 ◆ 「よ……よし……」 吹き抜けフロア3階の通路。 山禅寺は嘔吐と戦いながらの撮影を終え、携帯端末を操作する。 「さて……」 飯田を見ると、まだ力士との戦いを続けていた。 その時。ヒュン、とそれが山禅寺の肩をかすめる。 一閃。 山禅寺の右肩から燃えるような赤い血がほとばしる。 (まずい) それは透き通るガラスの剣だった。 「探偵」 眉間に皺を寄せた、どこか見覚えのある熟女。 ワクワク動画に出演していた魔人――――『樹脂あくりる』だ。 「公人御用達の施設で大捕り物とは、やってくれるな」 「ぐっ……」三禅寺の襟首がぐいと掴まれ、通路の吹き抜けに中吊りされる。 『ショウ子!あと30秒――』 先程の飯田の正体で精神力を大幅に削られた。もはや、山禅寺に振るべきステータスは残されていない。 「カ……ハッ、もっと……早く」と山禅寺。 「覚悟しろ」樹脂あくりるの剣が極彩色の輝きを放つ。 『10秒!9、8……』 「もっと、急いで来てくれたら……ちゃんと謝れたのに」ドン!と山禅寺の脚が相手を蹴りとばす。 重力に身を任す3階からの落下。「こういうの、何て言うかご存知ですか――」 「逃がすものか!」突き下ろされる刃が、山禅寺の瞳をその切っ先に映しだす。 「――――タイムリミット」 ごう、と風を切る音が止んだ。 ◆ ◆ 『0』 青い水槽が立ち並ぶ。迷宮時計の表示は水族館。 「痛った……」肩の傷は深いが、休む暇は無い。 携帯端末を見る。飯田の正体を撮影した動画は動画サイトへアップロード済み。 監視カメラに観客の目……火消しには困難を極めるだろう。 飯田カオルがこの場に残るか、基準世界に戻るか、いずれにせよ彼と会わなければ交渉は不可能だ。 「急ぐよふっくん!」山禅寺は新たに駈け出した。 『それにしても、ホテルらしからぬ豪華な水槽だったな』ふっくんが言う。彼の話は始まると長い。 『ドイツにも似たような物があったが、大した技術だ。飯田カオルがあの場にいたのは、水槽ガラスの整備で忙しい樹脂あくりるとコンタクトを取ったあとだからだろう』 「うんうん、うん」 『そんなに急ぐ事は無いだろう……。試合前の24時間と違い、制限時間など無いはずだ』 駆け行く山禅寺の頭に相棒の声が響く。 『こうして一旦、試合が始まってしまえばな』 ……全く、世界が終わるわけでもあるまいし、と相棒は続けた。 ◆ このページのトップに戻る|トップページに戻る
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伊賀SS 個別キャラSS 複数キャラSS ◆ニンジャスカウト いずことも知れぬ闇の中で―― 伊賀の中忍2名、真野手裏剣斎と後髪ひかれに、里の頭領より召集の命が下された。 おっとり刀で駆けつけると、そこに頭領の姿はなく。 代わりにいたのは1匹のネズミであった。 「参上が遅くなり面目次第もございませぬ!」 真野が平伏する。 一方後髪はそんな真野とは対照的に、 「ごめーん遅くなってー」 と気のない様子で謝った。 「よい」 ネズミが口を開くと、そこから飛び出すのは紛れもない人語である。 そう。 一見何の変哲もないこのネズミこそ、伊賀随一の呪術の使い手であり、 伊賀の人外忍者を束ねる上忍、ノロイである。名前の漢字は難しいのでここでは省略する。 そして、その左右の闇より人影が現れる。 雪咲導と九路浦卦蟲。どちらも伊賀の里の中で密かに人気の高い美しい上忍である。 九路浦が懐より書状を取り出すと、一瞥して眉をしかめ、雪咲に手渡す。 顔を見合わせる真野と後髪。 受け取った雪咲が、同じく顔をしかめつつ。 「えー、頭領より指令です。読みます」 こほんと咳払いを一つして。 ――ごめん、待ってたんだけど犯せんせーと巻々ちゃんがいいところに連れてってくれるていうから先帰るね。 ――えっと、今度甲賀と勝負するんで、君たち二人は適当に使えそうなヤツ雇っておいてください。 ――よろしく。 頭領より。 「……以上です」 「わかっているとは思うが」 簡潔きわまりない文体に不安を感じたためか、ノロイが補足する。 「甲賀との戦いは熾烈を極めるだろう。しかし我が里の損耗は最低限に抑えねばならぬ」 「それゆえに使い捨ての兵力が必要となる――というわけですな」 と真野手裏剣斎。 「むろん、腕が確かならば戦いの後に丁重に召抱えよう」 「わかり申した」 「では、腕が立つ者を最優先に集めればよろしいのですな」 「あ、そのことだが、犯師匠からも注文を預っている」 九路浦が懐より書状を取り出す。一瞥して眉をしかめ、雪咲に手渡す。 「えー、よっ、読みます」 ――ぬるふふふふ。 ――どうせなら、可愛らしい女の子がいいですねえ。 ――牛さんみたいな……そんな子なら、先生喜んで個人授業をしてあげます。ぬるふふふふ。犯せんせーより。 「……以上です」 「まあこんなたわ言は無視して構わない」 ノロイが表情を変えずに申し渡す。 「全くです。平時ならいざ知らず、戦場においてはただ大きいだけの胸など何の役にも立たない。 忍法にどうしても必要だというなら仕方ありませんが、全くあのような胸など………………!」 「全く同感にございます」 何やらぶつぶつと呟き始めた雪咲に共感の意を示す真野。 一見すると上司への追従であるが、実のところこの男の魂の嗜好であった。 (別に胸のことは言ってなくね?) という言葉を胸にしまい込む後髪。 とりあえず巨乳の女をスカウトするのはやめておこうと彼女は決意した。
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東條希 詳細にはネタバレが含まれます スレタイ キャラクター 詳細 備考 日付 絵里「卒業式の私の答辞がまるまるカットされている件」 絵里・希・にこ 詳細 コメディ 20150303 【ラブライブ】コミカルのぞみんラジオ 希・μ’s 詳細 関連作有 20150217 希「絵里ちの金玉をマフラーにしたいんやけど」 希・絵里 詳細 カオス 20150130 希「毒吐きりんがべ服毒事件」 希・にこ 詳細 関連作有 20141130 希「3Dほのパイ流出事件」 希・にこ 詳細 関連作有 20141127 【ss】アルパカ「九人や。ウチを入れて」 μ’s 詳細 20140923 希「おみくじが大吉しかでなくてつまんない」 希・絵里・にこ 詳細 コメディ 20140915 希「穴」 μ’s 詳細 ホラー 20150531 手品師「あら?」占い師「おや?」 希・あんじゅ 詳細 のぞあん 20150527 【ラブライブ】のぞえり「我は葉となり蝶となる」 希・絵里 詳細 20141012 新入生:矢澤にこ「よ~し、スクールアイドルやるわよニコッ♪」【のぞにこえり】 にこ・希・絵里 詳細 三年生 20150125 希「好きやでー?」siri「すみません、理解できません」 希 詳細 コメディ 20140201 希「胃薬が手放せなくなった」 希・μ’s 詳細 コメディ・群像劇・関連作有 20150725 希「え、虫が喋ってる?」 希 詳細 コメディ・関連作有 20150702 希「えーりち、セックスしよ?」 希・絵里・穂乃果 詳細 R-18・シリアス 20140607 希「あの頃に戻りたい」 希・絵里 詳細 のぞえり 20140709 希「雪穂ちゃんがお泊り」 希・雪穂 詳細 ほのぼの・のぞゆき 20150927 希「お日様からの逃避劇 Case:凛」 希・凛・花陽 詳細 ミステリ 20150308 希「ウチは天然じゃないよ」 希・μ’s 詳細 コメディ 20151001 希「理事長と夕飯」 希・理事長・絵里 詳細 のぞりじ・ほのぼの 20151019 海未「希姉さん」 希・海未 他 詳細 のぞうみ 20140810 希「なんや…まだ朝の5時やん…」 希・海未 他 詳細 のぞうみ 20141129 希「海未ちゃんがおかしい」 希・海未 他 詳細 のぞうみ 20140312 希「なんやこの雪、目がチカチカするで」 希・μ’s 詳細 20151006 希「今日も穂乃果ちゃんのお弁当は美味しいやんな!」 海未「………………」 希・穂乃果・海未 詳細 コメディ 20151207 希「・・・しまった・・・」 希・絵里・にこ 詳細 ほのぼの 20151209 希「もう勘弁してください」 lily white 詳細 コメディ 20151223 希「ねー穂乃果ちゃん、1分間だけうちと付き合わん?」 希・穂乃果 他 詳細 のぞほの・コメディ 20160129 希「みんなにイタズラしよーっと♪」ルンルン 希・μ’s 詳細 コメディ 20160128 希「背水の陣」 希・穂乃果・凛 詳細 コメディ 20160211 希「こんな雪の降る夜は」 希・穂乃果 詳細 のぞほの 20160306 絵里「桜の花園」 絵里・希 他 詳細 短編・のぞえり 20160404 東條希「そこの君っ!」 希 詳細 恋愛 20140711 希「ウチにも妹がいれば…少しは寂しく無くなるんやろか」 lily white 詳細 ほのぼの 20160407 絵里「副会長がアホの子すぎる!」 絵里・希 詳細 のぞえり・コメディ 20160411 絵里(26)「巨乳レズデリヘル呼んだら希がきた…」 絵里・希 他 詳細 のぞえり 20160408 希「パンダやん!!」 希 他 詳細 コメディ 20160503 希「日曜日やし一緒にどっかいかへん?」にこ「あー。無理」 希・にこ 他 詳細 シリアス・のぞにこ 20160501 希「凛ちゃんと花陽ちゃんがケンカ?」 希・凛・花陽 他 詳細 ほのぼの 20160521 希「ことりちゃんにお母さんて間違えられた」 希・ことり 詳細 ことのぞ・ほのぼの 20160527 希「気がついたら8万が消えてたんよ…頭がおかしくなりそうなんよ」 希・μ’s 詳細 コメディ・カオス 20160506 希「穂乃果ちゃんの今日の運勢は~」ブッ!絵里「!」 希・μ’s 詳細 コメディ 20160609 希「アイドル研究部部長の矢澤さん?」 希・にこ・絵里 詳細 20160610 絵里「授業面倒ね…真面目に努力するのってやっぱり苦手だわ」 絵里・希 詳細 のぞえり 20160527 希「やーん!にこっちにおっぱい取られたー!」 希・にこ 詳細 のぞにこ・コメディ 20160627 穂乃果「レッツゴー!ドゥーン!アイ!ドゥーン!アイラブ(ry」メギョッ 希「うわあああ穂乃果ちゃんが轢かれたああああ!!」 希・真姫 他 詳細 コメディ 20160630 【安価SS】希「今日中ににこっちを彼女にしなきゃ死ぬん…?」 希 他 詳細 安価・カオス 20160722 希「なぁなぁ絢瀬さん、消しゴム使ったおまじないって知ってる?」絵里「…東條さんって占いとかおまじないとかばっかりね?」 絵里・希 詳細 のぞえり 20160629 【SS】希「合点承知之助」 希・絵里 詳細 20141219 絵里「希、ホントに留年するわよ?」 希 他 詳細 ほのぼの 20150526 希「うちとマキちゃん」 希・真姫 詳細 のぞまき・ほのぼの 20160908 希「月夜の庭でうどん食い」 希 他 詳細 ほのぼの 20160921 希「大阪府 日本橋の油そば」 希 詳細 ほのぼの 20161001 希「しりとりで気付いて」 希・μ’s 詳細 ほのぼの 20160609 希「エッ〇を〇〇ないと出られない部屋……?」 希・絵里 詳細 ミステリ・サスペンス 20161106 希「っしゃ!暇だからss書いたろう!」ポチポチッ チ-ン! 希 他 詳細 短編・カオス 20170421 希「雨垂れでオナニーってどうやろ?」 希・絵里 詳細 短編・カオス 20170612 希「アイドル研究部が廃部の危機? ご愁傷様やんね」にこ「」ギリィッ 希・にこ・絵里 詳細 のぞにこ・恋愛・鬱 20170827 希「言うて良いことと悪いことくらいある蛇狼牙ッ!!!!」 希・絵里 詳細 短編・バトル 20171116 真姫「......」希「........」スッ 真姫・希 詳細 短編・のぞまき 20180122 希「真姫ちゃんでも勘違いはあるよね」真姫「恥ずかしい....」 希・真姫 詳細 短編・のぞまき 20180224 希「あんな、ブーメラン見つけてん」 希 他 詳細 短編・コメディ 20180324 希「にこっちは凄い」 にこ・希 詳細 短編・のぞにこ 20180707 希「お化け屋敷」 希・真姫 詳細 短編・のぞまき 20180819 希「ウチの喫茶店の味は」 希・μ’s 詳細 ほのぼの 20180818 真姫「希先輩と私の秘密」 真姫・希 詳細 短編・のぞまき 20180925 希「うちはね、サンタさんになりたかったんよ」 lily white・真姫 詳細 短編・ほのぼの・のぞまき 20181017 希「カロリーゼロやんね」 希・μ’s 詳細 短編・コメディ 20181106 希「ほら、真姫ちゃんあーん♪」 希・真姫 詳細 短編・のぞまき 20181224 絵里「実は……クリスマスなんだけどね」 希・絵里 詳細 短編・のぞえり 20181224 希「仮面の告白」 希・絵里 他 詳細 のぞえり・コメディ 20140831 希「焼肉の流儀」 希・μ’s 詳細 短編・ほのぼの 20171008 真姫「温泉旅行と廃村」希「行きはよいよい帰りは怖い」 真姫・希 詳細 のぞまき・ホラー 20190721 希「>>3やん」 希・にこ 他 詳細 安価・カオス 20200305 【能力無駄遣い系SS】希「スピリチュアル・パワーで、エリちにウンコを漏らさせてみた」 希・絵里・亜里沙 詳細 短編・カオス 20200309 希「MAXと言ったな、あれは嘘や」 希・μ’s・A-RISE 詳細 コメディ 20150306 希「気持ちが知りたい」 希・絵里 詳細 短編・しんみり・のぞえり 20200701 希「いいじいさんに連れられてー」真姫「異人さんよ」 希・真姫 他 詳細 ホラー・のぞまき 20200702 真姫「ドライブと都市伝説」 真姫・希 詳細 短編・ほのぼの・のぞまき 20200819 希 「しりとり」 希・真姫 詳細 短編・のぞまき 20201110 【SS】にこ「ここがあの世ね…」希「来世をうちに告げるんや!」 にこ・希 詳細 短編・コメディ・しんみり 20210113 希「廃館で生配信」真姫「力を貸して」 希・真姫 他 詳細 ホラー 20210128 希「ウチとえりちの出会い」 希・絵里 他 詳細 コメディ 20210322 希 「スピリチュアルをこの身に呼ぶんよ」 希 他 詳細 コメディ 20210327 希 「マッチ売りのスクールアイドル」 希・μ’s 詳細 ほのぼの・友情 20210609 希&真姫「「家族と親友と……」」 希・真姫 詳細 短編・しんみり 20220403 ノッゾとマッキのホラー映画雑談 希・真姫 詳細 顔文字・ほのぼの・コメディ 20220508 希「イッタッッッッッ!!!」 希・絵里 詳細 短編・ホラー 20240226 R-18G スレタイ キャラクター 詳細 備考 日付
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ヴィクトワールピサ(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 水 地 バランス 芝 SS+☆6 24 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 375 563 188 普通/得意/得意 2,000m~2,500m/2,000m 99 1688 2250 656 スキル/強化型 水と地のフリーダム(火と風を水に、天と回復を地にブロック変換、4秒の間、自由にブロックを移動できる)/- Lスキル/強化型 レジェンドドバイ(水と地属性のスピードと勝負根性2.5倍、チーム全体のスタミナ2.8倍)/- 進化素材1段階 超レジェンド像 超レジェンド像 超レジェンド像 進化の蹄鉄(水) 進化の蹄鉄(地) 進化素材2段階 入手方法 イベント限定
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【初出】 禁書SS自作スレ>>699-700 ゴミを全て捨て終わり、戦争の跡地と化した部屋は妙に平然としていた。 「んー、スッキリしたわ」 結標は肩に手を当てて首を何度か鳴らしたり、ついでに改めて伸びをして、腰を曲げたりしてみる。 それと同時に気づいた事があった。 脇腹。 そこに接している寝間着の生地に少し変化がある。 そこだけ、赤く変色しているのだ。 「………ッ」 それを見た直後、結標の身体が嫌な汗を出しはじめた。 急いで押入れに押し込んであった救急箱を取り出し、寝間着を捲り上げる。 赤の色がこびり付いた白い自分の肌。 どうやらほとんど固まっているようだが、あの事件で白井につけられた傷が開いたようだ。 少し何も考えずに動きすぎたか、と結標は眉を顰めつつ救急箱を開けて治療を始める。 傷が痛むのを我慢して傷に薬を塗りつけ、その上から包帯を巻きつけるだけの簡易作業。 こんな状態ではあの最強の能力者に勝てる筈が無い、などという弱音は吐かない。 万全を期すまで待てばいい、などという作戦をとることも無い。 というよりもそもそも、結標は"それすら"も思いついてはいないのだ。 重度とは言えないが、決して結標が心に負った傷は浅くは無い。 あの事件を境に、色々な意味で結標は既に"壊れている"のだから。 治療を終え、余った包帯を鋏で切り取って救急箱に収めて蓋を閉める。 「お気に入りだったんだけど……ねぇ」 脇腹部分が生地の青色に反逆するように赤くなった寝間着を見て結標はため息をつく。 クリーニングに出すわけにもいかないし、結標には残念ながら衣服についた血痕を落とすような技術は無い。 何故かテーブルの上に置いてあった【爆熱殺菌掌】という商品名の上にむさ苦しい男性がプリントされた洗剤は、 使うと落とせるとか落とせない以前に、生命の危険とかそういう方向でやばい気がする。 というか、何故そんなものを買ってきたのか。 思い返すが、見事なまでに記憶に無い。 恐らくあの事件から数日も経っていない錯乱した精神状態の時に買って来たのだろう。 明らかに混ぜるな危険の雰囲気を醸し出すサムズアップした筋肉質な男性の絵が目立つ洗剤を横目で見やり、 一瞬見た後視線を逸らすと、服を手に入れるため結標は一枚扉を挟んだ隣の部屋へと向かった。 扉を開ければ、そこはクローゼットだけが一つ隅に置いてある寂しい部屋。 そこにも達磨の形をしたカキ氷機や他にも使用法不明の謎の商品が幾つか床に転がっていた。 錯乱状態の自分は本当に何を考えていたのだろうと今更ながら自己嫌悪に陥る。 ……大丈夫。私は大丈夫。 罅割れた心に何とか言い聞かせて立ち直るまで数秒。 すぐに気持ちを切り替えて、クローゼットの扉を開けた。 即座に閉めた。 「……他の服、あったかしら?」 今日は絶好の買い物日和だ。 対一方通行用の作戦を考えるついでに服を調達するのも良いだろう。 向きを変えて歩き出した結標の後ろには、どす黒い空気を放つクローゼットがただ静かに鎮座していた。 結局他の服は見つからず、床に落ちていた学校で使う様な紺色のジャージを着る事となった。 今日何度目の溜息かしら、とぼんやり考えつつ他に必要なものをチェックする。 布団などは問題無し。寝間着とクローゼットの服は捨てるしかないだろう。 と、冷蔵庫を覗いてみれば、丁度食料もほとんど切れて居る状態だった。 恐らくは昨日食べたものでまともな食材は最後だったのだろう。 なんともタイミングが良いものだ、と結標は偶然に感謝する。 「お腹もすいたし……っと?」 自らの腹に手を当てたトコロで結標は気づく。 そういえば最後にお風呂に入ったのは何時だろう、と。 その日数を考えて戦慄しつつ恐る恐る自らの髪に触れる結標。 触れた髪はとてつもなく乾燥しており、手入れも何もあったものではない。 何かに例えるとするならば、それはミイラの様な状態だった。 髪は女の命というが、結標もその例を漏れずそれなりに大切にしていたのだ。 まずはお風呂か、と肩を落とし項垂れつつ風呂場へと向かう結標。 最近項垂れる回数まで多くなっている様な気がする、と更に落ち込むような事を考えつつ足を動かす。 ふと自分の脇や肩に巻かれた包帯を見やる。 包帯は表面防水仕様なので問題無いとしても、まだ湯船に浸かるのは控えたほうが良いだろう。 そんな事を思っている間に脱衣所に到着。 すぐさまジャージと下着を脱いで風呂場へと足を運ぶ。 そして、扉を開けて正面に設置してあるシャワーを手に取りお湯を出し始めた。 温度を調整して、近場に置いてあったシャンプーを取り、頭を濡らしてからそれをつければ準備完了だ。 瞬く間に頭の上半分が白い泡に包まれる。 暫くの間。 その間はずっと丁寧に、それでいて豪快に洗う音が風呂場に響き渡っていた。 更に水の勢いを強くしたシャワーで勢い良く髪を洗い流す。 その際に泡が目に入ったりして少々痛くなったが、それもご愛嬌というものだろう。 余韻に浸りつつ、ついでとばかりに検討していた対一方通行用の作戦を改めて頭の中に走らせる。 ……真っ向勝負では間違いなく一瞬でやられる。かと言って人質作戦も私のプライドに反するのよね。 一番簡単なのは、恐らくだが一方通行を支える少女を人質に取る事だ。 だが、それは僅かばかり、情け程度に残った結標のプライドが許さない。 戦いの場にあるものは何でも利用するのが結標の基本的なスタイルだ。 しかし、流石にこの様な少女を人質に取るまでは落ちぶれてはいないと結標は自負している。 ……まあ、利用する事には変わらないんだけど……となると他に考え付く方法は……。 少女を手なずけてコッチの味方にしてしまう。 ……。 少しでも良いかも、と思ってしまった雑念を振り払うようにガシガシと音を立てて頭を強く掻く。 というか、場合によっては人質に取るよりもかなり情けない様な気もする。 「まぁ、取り敢えずは……買い物しながら考えるとしましょうか」 軽い足取りで風呂場から出て、下着などを入れる棚の上に積んだバスタオルを一つ取り身体を拭い始める。 ドライヤーを使って髪を乾かして櫛を入れて念入りに整え、お気に入りの後ろで二つに結う髪型に整える。 よし、と最後に脱衣所に設置してある鏡で何度か左右を向いておかしいところは無いか確認。 問題無し。 下着を付けてジャージを着込み準備完了。 ジャージの上着の方は前を開けておくのがポイントだ。 中には白のインナーを着込んでいるので、動きやすさの面でも他人の目の面でも問題は無い。 後は財布を持って買い物に行くだけだ。 そういえば財布はどこにやっただろうか、と多少御機嫌になりつつ脱衣所を出て行く結標であった。 ...To Be Continued
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SS35-1 午前六時半。私はいつも、これくらいの時間からエプロンをつけて朝食作りを始める。 今日のメニューは、ご飯、みそ汁、卵焼き、ほうれん草のおひたし、そして塩鮭というかなりオーソドックスな朝食だ。 とはいえ、近頃の過程の食生活は破綻しているとか何とかテレビでよく見るから、その点に関しては私はちゃんとしているほうだろう。 むしろ、こんなしっかりとしたものを朝から食べられて、私の相方は大いに果報者だ。 まさしくりっちゃんさまさま、と大げさに感謝してほしいくらいだけれど、生憎私の相方、つまり旦那様はまだ夢の中だ。 まあ、こんな時間に起きていることの方が珍しいので、とっとと二人の寝室に向かう。 朝食の用意をし終わって、旦那を起こしに行くのは、もうとっくに習慣となっていた。 最初のころは、憂ちゃんはこんなに大変だったのか、と彼女の妹の苦労をしみじみと感じたものだったけれど、今では特に苦に思わない。 「……完璧に、唯に毒されたなあ」 私の頬に自然に笑みが浮かぶ。唯と一緒にいることに慣れ切って、むしろそれが心地よくて、当然のように感じていることを自覚している。こういうときに、夫婦ってこんな感じなのかな、と考える。あ、夫婦じゃなくて、婦妻か。 寝室に辿りついて、開口一番。 「こらー、唯! おーきーろー!」 寝室にはダブルベッドが一つあって、いつもそこで唯と私は一緒に寝ている。 ベッドの上で、唯はむずむずと動きながら、「んむ……りっちゃーん、おいでえ~」なんて私が寝ていたスペースに手を伸ばしながら、寝言を言っていた。りっちゃんはここにいる。つうか、むしろお前がリビングに来い。 「お・き・ろっつうの! いつまで寝ぼけてんだよ?」 少し強めに言うと、唯がようやく覚醒したように大きく体を動かした。ゆっくりと体を起して、ドアのところに立っている私を見る。 「……なーんだ、夢かぁ」 失礼なことに、私を見るなりがっかりした声を上げて、またベッドに沈もうとする。 おいおいおい! なんだとはなんだ! せっかく起こしに来てやったのに! 私はずんずんとベッドに歩み寄り、唯が被った毛布をはぎ取る。すると、唯はびくっとして、大きい目をさらに大きくして、私を見た。 「おおおおきいいいいろおおおおおおお!」 唯の耳元で叫んでやると、「っわあああ!」とうめき声を上げて、飛び上がった。そそくさとベッドから下り、私をびくびくと見つめる。 起きられるじゃんか。まったく。手間かけさせて。 「お、おきました!」 「ん、ならよろしい。ほら、顔洗ってこい」 らじゃー! と敬礼を返し、唯はそそくさと寝室を出ていこうとする。 まったく、こういうところは、変わってないんだからな。 ふと、気になったことがあって、唯の背中に声をかける。 「唯、さっき見た夢って、どんなのだったんだ?」 聞くと、まさに洗面所にいこうとしていた唯は、パッと振り向いて、にへら、としまりのない笑みを浮かべる。……なんか、予想がついた。 「え、へ、へ。あのねえ、りっちゃんがねえ、私に裸でしがみついて、すっごく甘えてきたんだよお」 ほー。ほおお。 「『唯が欲しい、唯とずっと一緒にいたい』っていってねえ、もーう、すんごくかわいかったんだからあ」 ……唯、覚悟はいいな? 「それでりっちゃんを抱き寄せようと思ったら、エプロン姿のりっちゃんに邪魔されちゃったんだよね……ってうおあ!?」 「ばっかやろおお!」 唯に走り寄り、華麗なドロップキックを決めた。 唯はつんのめるように倒れたけど、いてて、と腰を押さえてすぐに立ち上がる。 付き合ったころから受けているからか、唯も耐性が身についてきたみたいだ。 「ふざけんな! 勝手にお前のエロ夢に私を登場させるなよ! それで『なーんだ』っていったのかこんちくしょー!」 「えええ、だってえ~、本当にいいところだったから」 「あほ、ばか、トロ唯! さっさと顔洗ってこい!」 しっしっと追い払うように手を動かすと、唯は、はたと気付いたように、意地悪な笑みを浮かべた。 「……なんだよ」 「……りっちゃん、ヤキモチ?」 「ぁあん!?」 「安心してよ。昨夜のりっちゃんも、夢の中のりっちゃんに負けないくらい、可愛かったから!」 ぷちん、と何かが切れる音がした。 「大体さあ、確かに私は寝坊しちゃうかもしれないけど、でも、それはりっちゃんにもちょっと責任あるからね」 ぶちぶち、とまた切れる。 「昨夜だって、なかなかりっちゃんが寝かせてくれなくて……うう~ん、眠いよお」 ぶちぶちぶちぶちぶちっ。 「もう、りっちゃんたら、お・さ・か・ん……」 「だあああ! おっまえが勝手にサカってただけだろ! 早く顔洗いやがれええ!!!」 鬼の形相で吠えると、唯は今度こそ青ざめて、そそくさと洗面所に向かった。 「鬼嫁だよ、鬼嫁がいるよ!」という嘆きが聞こえた気もするけど、気にしない。あの、どあほが悪いんだからな! 唯がぐちゃぐちゃにしたベッドを直しながら、ふとシーツを見る。 「……洗濯機、回すか……」 昨夜のことを思い出しそうになって、熱をもった頬をとっさに手で覆った。 「わあ! お~!!」 身支度を素早く終えた唯が、食卓にきて歓声を上げた。 そりゃそうだろ。これだけ完璧な朝食が揃っているんだからな。 ふふん、どうだ、と鼻高々に私がつつましい胸を張ると、唯が空気をぶち壊すような言葉を放り込んできた。 「今日は、パンの気分だったかも……」 言い終えると同時に、私はすぐに唯にチョーキングを決めた。 なんって、妻不孝な奴だ。 「ご、ごはん好きです。ごはん食べます」 「よろしい。っつか、日本人ならごはんだろ」 「1・2・3・4・ご・は・ん~♪」 調子に乗って歌い出す唯の頭をぺチリと叩くと、唯はえへへ、と笑って、行儀よく「いただきます」と手を合わせた。 唯の、こういうところが好きだ、とふとした拍子に想う。 いいかげんなようで、ちゃんと相手を想っているところ。 それは、りっちゃんも同じだよ、って前に唯にいわれたから、私たちは似た者夫婦なのかもしれない。 「おいしいい! どうやったら、こんな風に作れるの?」 「唯には無理だなー。やっぱり、りっちゃんの天才的センスがないと」 「むう、がんばるもん!」 「期待せずに、待ってるよ」 そんな軽口をたたき合いながら、私たちはぺろりと朝食を平らげた。 私は、いわゆる専業主婦ってやつだ。家事は嫌いじゃないし、近所の人たちともうまくやれているから、寂しいとかつまんないとか、あんまり感じない。 ローンで買ったこの一軒家に唯と一緒に住む前は、専業主婦にあまりいいイメージをもっていなかった。でも、唯と住むなら、自動的に家事をやるのは私になるから、なりゆきでそうなったけれど、意外に毎日は充実していた。 休日には唯とギターとドラムでセッションするのが楽しいし。暇を見つけて澪やムギ、梓とかと会ったりするし。 唯は、会社に行って、何とか働けているようだ。そこそこ忙しいようで、残業とか、休日出勤がないわけじゃないけど、それでも、私と話す時間は毎日つくってくれていた。 仕事はできるというわけじゃなく、上司に怒られるのはしょっちゅうだ、といっていたけれど、それでも元気に毎日出社するから、それなりにがんばっていて、可愛がられているんだろう。 総合的に見て、私は幸せだと思う。波風立つことなんて、皆無といってもいい。 このままこの日々が続けばいいな、続くんだろうな、と思っている。 「唯、八時十五分発の電車に乗るんだろ? 間に合うのか?」 「だーいじょうぶ……ってうわぁ!!」 「ばか、だからさっさとしろっていったのに」 唯はどたどたと音を立てながら、バッグを肩にかけ、パンツスーツの裾をはためかせて、玄関へと向かった。 ああ、こりゃ、またごみ当番は私になりそうだな、と息をつく。 「りっちゃん、ごみごめんね! 行ってくる!」 「こおのやろー、明日こそ早く起きろよ」 「うう、ごめん、あっ、りっちゃん!」 「ん?」 首をかしげると、唯が目をつぶって、唇をつき出した。 「いってきますのちゅー」 無言でばしり。朝だけで、何回唯に突っ込みを入れただろう。 「いたい! ひどいよりっちゃん!」 「そんな暇あるなら、ごみ置いてこいって話だろ!」 いいながら、唯の背中をぐいぐいと押し、玄関のドアを開けて、外に出す。 唯は口をとんがらせながらも、小さな門を抜け、ドア先に立っている私に手を振る。 「いってきまーす!」 「いいから走れ! 早く行け!」 無邪気な唯の声が大きかったから、照れ隠しにぶっきらぼうに言った。 唯はぶう、と不満そうにしながらも、すぐに駆けだして行った。 唯の姿が見えなくなるまで見送り、私はごみ袋を手に、ごみ置き場まで歩いて行った。 ごみ袋を置くと、近所の誰かの旦那さんらしいサラリーマン風の男性が、急いで置き、早歩きで駅の方向に向かっていった。 「そうだよな、最近の旦那っていうのは、これくらいはやるよな」 独り言をつぶやきながら、家へと歩いて行くと、二、三人の主婦の集団とすれ違った。 げっ、と心の中で思う。私は、大抵の近所の主婦たちと上手くやれていると思うけれど、このベテラン主婦集団だけは、なんとなく苦手だった。 挨拶だけして、そのまま通ろうと思ったけれど、呼び止められた。 「田井中さん……でよかったかしら?」 「……あ、はい。おはようございます」 リーダー格っぽい天然パーマのおばさん主婦が、尊大な感じで話しかけてくる。 「あなたが、いっつもごみ置いてるの?」 「あ、いえ、えと、旦那が置いてくれることもあります」 「でも、いつも大体あなたよね」 「っ、は、はあ……ま、まあそうかもしれないですねえ」 人のごみ置くところを、毎回チェックしてんのかよ、と気味悪く思う。 「だめよ、甘やかしちゃ。最近の夫っていうのは、ごみ置きは最低限してるんだから」 「で、ですよねー、気をつけまーす。あはは……」 乾いた笑いを最後に、今度こそ家に戻ろうとしたとき、後ろからひそひそ声が聞こえてきた。 「でも、旦那っていってもね……」 「夫、ともいえないし……」 「若い人の恋愛って、分かんないわねえ」 何を言っているのか、分かる気もしたけれど、完全にシャットアウトして、家に急いだ。 気にしない。世の中、色んな考え方の奴がいるから。 それでも、幸せばかりだった私と唯の日々に、ちくりとケチがついたような気がして、少し不愉快だった。 朝の嫌な気分を振り切って、午後からは買い物に出かけた。 最初は迷ったりもしたけれど、ここの商店街の道は、もう慣れたものだ。たまに楽器店やスタジオを見つけるたびに、唯と一緒に行ったりもしている。 私は、馴染みの肉屋の前で足を止め、じっと肉を吟味していた。 すると、店の奥から、これまた馴染みの肉屋のおっちゃんがやってきて、私に二カッと笑いかけた。私も、笑顔で会釈をする。下手に自分で選ぶよりは、専門家に見つくろってもらった方がいい。 「奥さん、こんにちは! 今日はいい肉が入ってるよ!」 毎回、奥さん、と呼ばれる。そのたびに、くすぐったいような、照れくさいような気持ちが広がる。自分の、今の幸せを実感できているみたいで、嬉しくなるのだ。 「んー、どれがおすすめ?」 「そうだな、この黒毛和牛が、安く入ってるなあ。あとは、んー」 「じゃあ、それにする。……旦那に、元気つけてもらいたいし」 人前で、旦那、と呼ぶことに嬉しさを感じる。まあ、あの主婦集団の前で言ったのは、ノーカウントだけど。 「あいよお! これは、うまいぞお! 旦那も精ついちゃうかもなあ!」 「つってもなー、もともと元気だから別にいいような気もするけど……まあいいや」 「おっほう、ノロケかい? お・さ・か・んだねえ」 にやにやとしながら、おっちゃんは素早く肉を包んでいく。 唯、お前の言葉、おっちゃんと同じレベルだぞ。まったく。 「ばかいうなっつうの。ていうか、いまどきお盛んって」 「あっはっは。毎度! またよろしくなあ」 手を振るおっちゃんにお辞儀をし、私は家へと向かう。 おっちゃんは、旦那が女であることを知らないだろうけれど、それでも朝の嫌な気分は、すべてなくなった。 ビニール袋を下げながら、今日はステーキにしようかな、と軽くなった心で考えていた。 遅い。今日は、ずいぶん遅い。 大抵いつも残業で、帰ってくるのが八時くらいだから、それにぴったりと間に合うようにりっちゃん特製のビーフステーキを作ってやったというのに。 もう、時計は十時を過ぎていた。ビーフステーキはラップをして、唯が帰ってくるのを今か今かと待っている。 「……食べちゃおうかな」 いつも私は、唯と一緒に夕食を食べる。唯の食べる姿を見るのが好きだし、昼間はほとんど会話をメールで済ませているから、こういうときにいろいろ直接話す時間を作りたいのだ。 唯も、嬉々として仕事やいろんなことを話して、風呂に入って、で、ちょっといい雰囲気になったときは……まあ、昨夜みたいなことをするわけだけど。 「でもなあ」 唯も、食べながら私と話すのを楽しみにしていることを知っているから、そんな唯の気持ちを無駄にしたくはない。 まあ、いいか。一回ぐらい、夜中に食べて、脂肪ついちゃっても。 そう思って、暇つぶしにテレビをつけようとすると、ぴんぽんとインターホンが鳴った。 私は、急いで駆けだす。 「はい」 『えへへ、私』 受話器を耳に当てると、唯特有の幼い声が聞こえてきた。 ドアを開けると、少し疲れたような、でもいつものように笑っている唯が立っていた。 文句の一つも言ってやろうと思ったけれど、すぐにどうでもよくなった。 「おかえり、外寒いだろ」 「ただいまっ、マフラーしてたから平気だよ」 唯は、赤い手編みのマフラーを指さしながら答えた。付き合っているときに、唯がおねだりしたので、わざわざ私が編んでやったマフラーだ。それがいたく気に入ったらしく、寒いときには必ず巻いてくれていた。思わず、笑みがこぼれる。 「あれ? 朝行くときは、巻いてなかっただろ?」 「ふふふ、バッグに忍ばせておいたんだよ。寒いときに、りっちゃんマフラーは必須だからねっ!」 思わず和やかな空気になりかけたが、向こうにラッピングされたビーフステーキを見て、ぽかりと唯の頭を小突く。 「うわあん、いたあい」 「いたあい、じゃなくて、なんかいうことは?」 その言葉に、唯は食卓を見て、うつむいた。 「遅くなっちゃって、ごめんなさい」 殊勝な態度に、怒っているのがばからしくなって、ふっとほほ笑む。 「遅くなるのは、仕方ないだろ。仕事なんだし。そうじゃなくて、連絡ぐらいしろってこと。昼には余計なメールを送ってくるくせにな」 「ひ、ひえっ、余計!?」 「まー、こっちも暇つぶしになるし? 別にいいけどな」 言って、私は夕食の皿を電子レンジに入れて、温め始める。 後ろから、わあい、今日はステーキだ! と無邪気に喜ぶ唯の声が聞こえてくる。 「これ、りっちゃんがいってたお肉屋さんの?」 「そうそう。今日のおすすめだって。早く食べよーぜ」 最後に、ステーキの皿二つを電子レンジに入れると、唯が、うつむきながらもじもじとしていた。 「どうした?」 「あ、あのね」 唯が眉をハの字にして、私を見る。 「りっちゃん、今日みたいな日は、先に食べちゃってていいよ?」 おそるおそる、といった口調の唯に、はっ、と笑う。 「いーよ、大したことじゃないし。ま、連絡はしてほしいけどな」 「でも、りっちゃんがせっかくつくってくれたステーキが、冷めちゃったし」 「だあから、連絡さえすれば、間に合うようにつくるから。ほれ、とっとと食べる」 「また、これくらい遅くなること、あるだろうし」 「いいって。連絡はしろよ。まあ、あんまり遅くなるようだったら、私も腹減るし、食べる。それでいいだろ?」 私の言葉に、ゆっくり頷く唯の手を引いて、食卓につかせた。 「いただきます」 「……うん、いただきます」 私に続いて、唯が復唱した。 温めなおしても、ステーキは美味しくて、さすがにおすすめだな、と言うと、りっちゃんの腕とお肉屋さんの目利きのコラボがよかったんだよ、とわけわかんないことを唯は言った。 「ゆーめのっ、夢の、コラボレーション♪」 「調子にのるな」 こつ、とまた唯の頭を小突き、切ったステーキを口に入れる。唯も、もくもくと食べながら、仕事の話をして、私を笑わせた。 「まーた、ドジったのか?」 「うう、コピー太が言うことを聞かなくなっちゃって」 「いや、お前の操作ミスだろ。……ていうか、まさか会社でコピー太って言ってないよな?」 「え? 言ってるよ?」 「まじか! 周りはなんか言ってる?」 「最初はね、えっ、て感じだったけど、だんだん周りの人もコピー太っていうようになってきたんだよお」 「気付け! 誰か、おかしいことに気付け! 感染してるぞ!」 「ええ~、りっちゃんひどーい」 話しながらふと、あ、そうだ、と切り出す。 「唯、今日残業で遅くなったんだよな、まーた叱られたか?」 「……う、ん。そうだよ。えへへ、だめだなあ私」 「自分でいってりゃ世話ないな。ま、めげずにがんばれ」 「……うん」 微妙に、間があったことが気になったけれど、大したことじゃないだろ、とスルーした。 「このお肉、美味しいね。うふふ、精がついちゃうわん」 いやだから、お前の言語センス、おっちゃんと同レベルだから。 「でも唯、今日はエロいことなしな」 「っ! え、ええ!? なんで?」 声を張り上げて驚く唯に、ふん、と意地悪い笑みを見せる。 「連絡もなしに、こんな遅くまで叱られた罰だ、罰」 「ええ、いいよ、っていったくせに~」 「夕食抜きになんなかっただけ、感謝しろ」 「りっちゃんの鬼嫁!」 「第一さ、一応残業してきて、疲れてるだろ?」 本音を向けると、唯は感動したように、りっちゃん……ときらきら目を向けてきた。 けど、すぐにしまりのない顔になる。 「でもね、疲れてる時の方が、燃えるんだよ! ってうぼわっ!」 「どこのエロ親父だ、お前は! さっさと寝ろ!」 「せめて、お風呂! お風呂だけでも一緒に……」 「ごちそうさまっと。さー、皿洗い」 「りっちゃんの鬼畜!」 「どっちがだよ!」 そのあと約束通り、風呂は別々にして、二人で床に入った。 ふと、今朝のことが頭を過ぎって、ぎゅっとかたく目をつぶった。 すると、唯の腕が体に回されて、そのまま唯の体に引きつけられ、強く抱きしめられた。 「……唯」 「……ふふ、これくらいなら、いいよね?」 唯の顔は見えなかったけど、でも、優しく微笑んでいるような気がした。 約束通り、唯はエロいことはしてこなかったけど、朝までずっと抱きしめてくれていた。 唯の腕の中は、あったかくて、柔らかくて、いい匂いがして。 すごく安心して、ぐっすりと眠れた。 大丈夫、唯とだったら。 嫌な気分も、唯が全部消してしまったようだった。 翌日からも、私と唯の、慌ただしい朝は続いた。 唯をベッドから引っ張り出して、朝ごはんを食べさせて(一回、パンにしてやったら、「朝って、ごはん食べたくなるよね」と抜かしやがったので、頬をつねってやった)、 やっぱり時間ぎりぎりになって、「ごめんね」といいながらもごみを捨てに行けず、猛スピードで、それも騒がしく家を出ていく。 この繰り返しだったけど、いつものことと思えば、それなりに慣れてくるもので、ごみ置きもほぼ毎回私が行っていた。 そのたびに、少し白い目で見られたり、何かこそこそと言われるのは嫌だったけれど、唯と話していれば、自然にリセットできた。 だから、今まで以上に唯の帰りを待ち望むようになった。 だから、あの日以来、唯の帰りが極端に遅くなっているのが気にかかった。 八時どころか、この前のように十時、十一時が当たり前になって、一度は日をまたいだときもあった。 きちんと言い含めていた甲斐あって、何時に帰るかしっかりとメールはするようになったけれど、 唯と話す時間が減っていることの実感は日に日に積もっていった。 朝は朝で慌ただしいから、ゆっくりと話す余裕がない。 仕事だからしょうがないけれど、それでも忸怩たる思いがあった。 唯は、いいかげんに見えても、相手のことを想って行動できる奴だから。そういうところに、惚れたんだから。 だから、唯があまり話す時間を作れないことに、少しの不満と不安があった。 退屈だなあ、と思った。いつも当たり前にあると思っていた唯との触れ合いが減ると、こうも空虚感を覚えるものなのか。そういえば、エロいことも……最近していない、かも。 唯が疲れている、と思うから、私も言いだせないし。 家事をやって気を紛らわそうとしたり、澪やムギ、梓たちと会って色々話したりしても、どうしても埋められなかった。 なんか、なんか嫌だな、これ。 こんな不安定な状態だったから、あっけなく私の心も崩れてしまったのかもしれない。 今日も唯は、慌ただしく家を出ていった。 自分の当番なのに、ちゃんとしなくてごめんね、と行き際に言って、駅へと向かった。 いただきます、と言ってくれたし、美味しそうに食べていたし、起きるときも軽口程度の会話は交わせたけど。 それでもやっぱり、気持ちが沈む。 私はごみ袋を手に持って、歩き始めた。 今日も遅くなるのかな。 残業続きで疲れているだろうし、なんか胃に優しいものでもつくってやろっかな。 唯は、私が支えてやんないと。妻だし、さ。 少し元気を出して、夕食のメニューを考えながらごみ置き場までやってきた。 するとそこには、珍しいことに、私より早くあのベテラン主婦組がいた。 何か、嫌な予感がしたけれど、軽く会釈をして、ごみ袋を置く。 早く帰ろう。洗濯して、掃除して、買い物に行って……。 「またあなたがやってるの?」 鋭い声が飛んできた。私は、思わず振り返ってしまった。 「え、あ、まあ、そうです」 答えると、ふーん、と何か嫌な含みを持たせた口調で言った。 なんだよ、言いたいことがあるなら言え。 「旦那さん、よっぽどお忙しいのね」 「んー、そうみたいですね」 皮肉めいた言葉も、何とか受け流す。 「へえ、そうは見えないんだけどねえ」 私は、リーダー格の主婦の女の方を向いた。 「いや、忙しいみたいですよ。別に、私も置きに来るのは面倒じゃないですし」 「あはっ、本当に忙しかったら、あんなに騒がしく家を出ていかないでしょうよ」 その言葉に、私は顔を上げる。 「だって旦那さん、いつもあなた、田井中さんに背中を押されるようにして出ていくじゃない。単に、しっかりと起きていないだけでしょ? それでごみ置きくらいできないっていうのは、ただの甘えよ」 ……こいつ、いつも私たちの様子を見てんのか。 気味が悪くて、背筋が冷たくなる。 「あなたたち、新婚さんでしょ? そういうのは、最初にびしっといってやらないと、これからずるずるそうなっていくわよ、どんどんだめになっていくの」 「もう、手遅れかもしれないけどね。私だったら嫌だわ、そういう人」 「もしかして、忙しい、っていうのも、仕事ができないからどんどんやることが増えていってるんじゃないの? なんか、そういう人がいると、こっちにまで影響しそうでちょっとねえ」 三人が間髪をいれずに唯をなじっていく。 一理あることはあるかもしれないけど、そんなの私たちの勝手だ。 私は、唯にいうべきことはちゃんといってるし、こいつらに言われる筋合いはない。 「そういう人、連れ合いに選ぶ田井中さんもちょっと、どうなのかしらね」 「早いとこ、しっかり更生させてね。見ていると、いらいらするのよ」 「どうかしら。慌ただしいってことは、夫婦間の会話もあんまりないんじゃない?」 ずきっと、図星をさされた。 何も言わない私に追い打ちをかけるように、さらに三人は続ける。 「あらー、かわいそうに。せっかく家を買ったのにねえ」 「ローンを返すために、ただ働くだけが役割じゃないわよね、夫は」 「そうね、近頃は家事とか育児とかもやって当然だって言うし……あっ」 リーダー格の主婦が、わざとらしく口に手を当てた。 「ごめんなさいねえ。育児は、必要ないものね」 「えっ、どういうこと、どういうこと」 脇にいるやせぎすの主婦が、はしゃいだようにリーダーの主婦の方を向く。 「だって、ほら、ねえ、女性同士じゃ、子供なんて生まれないしねえ」 「あ、そうね。表札の名字も、別々だものね、同姓婚って禁じられてるし。旦那さんは平沢でしょ?」 「え、女性同士だったの。じゃあ、夫婦でも何でもないじゃない、単なるルームシェアっていうものかしら?」 知っていたくせに。唯が、女だということを。 体が、がちがちと震えて、動かない。 「ねー、実際にいるのね、そういう人たち。理解できないわ、何が楽しいのかしら」 「想像できないわ。それで、妻とか、旦那とか……なんかね」 「そういうのって、一瞬の気の迷いでしょ。熱病。どうせすぐ飽きて、普通に男性とくっつくものなんじゃないの?」 分かっていた。普通に、受け入れられる人間なんて、少ないということくらい。 分かっていて、どんと構えているつもりだったのに、それでもどんどん心が削られていく。 「もう破綻するんじゃない? 会話がないって、結構致命傷だもの。それに、あんなだめな感じの人じゃ、どっちみちね」 「だめな人ほど、あっちこっちに気持ちが行くし」 「家を買うの、もう少し待てばよかったのにねえ」 三人は好き勝手に言い散らし、ふふん、と鼻息荒く横を通り過ぎていった。 私はうなだれたまま、しばらくそこから動けなかった。 お前らに何が分かる。唯の、何を知っているんだよ。女同士の、私たちのこれまでの関係の何が分かるっていうんだ。 唯は旦那だし、私は妻だ。そんなの、当たり前だ。 心の中ではいくらでも言えるのに、悔しくて悔しくてしょうがなかった。 なのに、それらの言葉を口に出して言えなかったのは。「何をそんな、くだらない」と笑い飛ばすことができなかったのは。 心の中で密かに感じていた色んな心配や不安を、言い当てられたような気がしたから。 気丈だと思っていた自分が、こんなにもろいなんて、知らなかった。 机に突っ伏したまま、かなりの時間が過ぎた、と思う。 昼ごはんは、とてもじゃないけど食べられなかった。このままじゃいけないと思って、何とか体を動かして、夕食を作り、七時に出来上がった。 いつもは、唯が帰る時間に合わせて作っていたけど、何か体を動かしていなければ、気がまぎれなかったから、特に何も考えずに黙々と料理をしていた。 作ったら、すぐに食べた。初めて一人で食べる、夕飯だった。 唯に悪いな、という気持ちは、少しはあった。でもそれ以上に、とにかく口に入れなければ、もたなくなると思った。 食べ終えたら、暇で、何もすることがなかった。 何でだろう。昨日までは、そんなことを感じなかったのに。 唯と一緒に食べたり、話すことを楽しみにしていれば、いくら遅くなったって待つのは苦じゃなかった。 ふつふつと、朝の悪意のある言葉が、蘇ってくる。 唯をバカにし、私たちを否定した言葉。 私は、頭を振って、その考えを消そうとした。 やめろ。こんな風に悩んでたら、ますますあいつらの思うつぼじゃんか。 それでも、どんどん心が苦しくなってくる。 どれくらい頭を抱えていたんだろう。不意に、インターホンの鳴る音がした。 ゆっくりと立ち上がり、受話器を手に取る。 「……はい」 『わたしだよー』 ふと時計を見ると、十一時を回っていた。 唯のお気楽そうな声に、ピクリと何かが刺激された。 ドアを開けると、そこには、いつもと同じように、少し疲れながらもにこにことしている唯の姿。 今まではそれに癒されていたはずなのに、少し、気に障った。 「……おかえり」 「ただいまー。うふふ、おなか減っちゃったあ」 私を通り過ぎて、唯はリビングへと入って行った。食卓にラップされた皿があるのを見て、唯がん? と声を上げる。 「あれ、先に食べたんだね」 「……ああ」 「そっかあ。メールしたんだけど……」 「……別に、先に食べたっていいだろ」 投げやりな私の口調に、唯が目を丸くする。 何やってるんだ、私。 「……え、あ、うん。そうだよ、そうだよね」 「先に食べてていいって言ったのは、唯だろ。こっちだって、疲れてるんだよ」 「う、ん。ごめんね、ちょっと気になって言っただけだから」 こちらをうかがいながら、気遣う唯の声。 唯の顔から、いつもの笑みが消えている。 こんな顔させて、どうするんだ。 何言ってるんだよ、私。 それでも、私の中にどんどん嫌な気持ちが生まれていく。 「すごい、疲れてるんだね、りっちゃん」 「……見りゃ分かるだろ」 「ご、ごめんね」 座ったまま動かない私を見て、萎縮して小さくなった唯は、ラップをされた皿をもって電子レンジに向かった。ぴ、ぴ、と電子音が聞こえる。 料理も、温めるのも、ほとんど私がやってきたから、唯は家の電子レンジの操作に慣れていない。試行錯誤しながら何とかやろうとしている気配が伝わってくる。 唯、大皿のやつは、二分くらいに設定して、他の小鉢はまとめて温めるんだぞ。 ほら、みそ汁も温めないと。一応、いつもどおり上手く出来たつもりだからさ。 言葉にしようとしても、一向に口から出てこない。 「り、りっちゃん。あのね」 少し温めすぎた大皿を食卓に置きながら、唯が探るように声をかける。 「明日、私帰り遅くならないかもしれないんだ」 唯は全部の食器を置いて、席についた。 唯は、この空気を変えようとしているのか、いつもみたいに明るく話そうと努めていた。 「ううん、頑張って絶対早く帰るよ、だからね、明日――」 「じゃあ、何で今まで遅かったんだよ!」 気付いた時には、大声で唯にあたっていた。 「……り、りっちゃん?」 「頑張れば、早く帰れるんだろ!? だったら、今まで何してたんだよ!」 仕事に決まってんだろ、何言ってんだよ、私。 「お前が仕事できないから、ぐだぐだ働いているから、だめな奴だから、叱られたり、無駄な残業が増えてるんじゃないのかよ!?」 唯が、ちゃんと頑張っていること、知ってるよ。 「仕事がだめなうえに、ちゃんとした生活しようとしないし、いろんなとこ私任せにしてるし!」 やめろ、やめろ。 そうは思っても、自分の本音とはかけ離れた言葉が、次から次へと出てくる。 「……自分だけ、気楽な顔して、人のことほっといて。私が、どれだけ頑張って、どんな思いしてるかなんて、考えてないだろっ……!」 朝に、あいつらにぶつけてやりたかった胸のむかつき。 受け流せばいいのに。ちゃんと、自分の中で、消化するべきなのに。 唯を見た途端、ふいにそれが破裂していく。 「り、りっちゃ、りっちゃん」 唯が、おろおろしながら私を見ている。 頬を何かが伝っているのを感じて、私は初めて自分が泣いていると分かった。 馬鹿だ。泣き叫んでる子供かよ、私。 唯がそっと手を伸ばしてきたけど、それを避けるようにして、私は席を立った。 「……もう、寝る」 それだけ言い残し、すぐさま部屋に行き、ベッドに飛び込んだ。 パジャマに着替えもせず、そのまま眠りたかった。 唯は、追いかけてこなかった。追いかけても無駄だと思ったんだろう。 しばらく物音がしなかったけれど、かちゃ、かちゃという食器の音がして、夕飯を食べてくれているんだろうと分かった。それから、水を流す音。いつもは私がしている皿洗い。慣れない手つきで懸命にしているに違いない。そして、水音が止まった。 唯が、ベッドに来てくれないかな、と思った。急に、唯に抱きしめてほしくなった。 こんな、鬱屈とした気分を打ち消すぐらい、強く、強く。 散々に言っておいて、都合のいいことを考える自分が嫌になる。 でも、唯に抱きしめてもらったら、色んな事がどうでもよくなるんだ。そうすれば、また普通の私に戻れるから。いちいちあんなことで、くじけたりなんて、しないから。 だから、早く来てよ。 ――それでも、唯は来なかった。 隣がいないベッドは、それだけで、寒かった。 SS35-2へ
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オリスタSS作品一覧表 最終更新 2011/07/28(木)現在のSS板 連載中の作品 更新順 (連載基準:6月1日以降) 40 ◆79EFR1u8EY 【オリスタ】セクター9の世界【SS】 2011/07/27(水) 15 ◆U4eKfayJzA 【インハリット】オリスタSSスレ「宝石の刻(とき)」【スターズ】} 2011/07/26(火) 41 ◆XYGGp0uo6g 【オリスタ】フレイム・スカール【SS】 2011/07/26(火) 44 ◆MJxgI59AoE ◆Break A Law◆ 運び屋『OWL』 2011/07/26(火) 11 ◆LglPwiPLEw 【ガーネット】「柘榴石の心(グラナート・クオーレ)」【クロウ】 2011/07/25(月) 28 ◆XBKLFVrvZo 【オリスタ】パラレル・ユニヴァース【SS】 2011/07/23(土) 31 ◆WQ57cCksF6 【オリスタ】アークティック・モンキーズSS 2 -ソウルメイト-【SS】 2011/07/20(水) 29 ◆AXS9VRCTCU 【オリスタ】小さな正義は夢を見る【SS】 2011/07/16(木) 43 ◆U4eKfayJzA 貧乳たちの奇妙な生活 2011/07/15(金) 26 ◆R0wKkjl1to 【ジョン】オリジナルスタンドSSスレ【万】 2011/07/10(日) 42 ◆929Wc4MY.g 【ヴァニシング】オリジナルスタンドSSスレ【ライト】 2011/06/18(土) 39 ◆トリップ無し 【オリスタ】ウルフマザー・ウルフハート【SS】 2011/06/01(水) 完結済みの作品 完結順 01 ◆WQ57cCksF6 【アークティック】オリジナルスタンドSSスレ【モンキーズ】 2009/09/11(金) 13 ◆9X/4VfPGr6 【ワム!】オリジナルスタンドSSスレ【Wham!】 2010/02/20(土) 12 ◆R0wKkjl1to 【スター】オリジナルスタンドSSスレ【ゲイザー】 2010/06/18(金) 18 ◆70nl7yDs1. 【オリスタ】U2 -黒い森で啼く蒼い鳥-【SS】 2010/08/07(土) 07 ◆XBKLFVrvZo 【ヒート】オリジナルスタンドSSスレ【ウェイヴ】 2010/11/10(水) 15 ◆U4eKfayJzA 【インハリット】オリスタSSスレ「宝石の刻(とき)」【スターズ】 2011/01/29(土) 17 ◆U4eKfayJzA 虹村那由多の奇妙な日常 2011/07/07(木) 見方 SSスレッドタイトル No. ◆作者のトリップキー 連載開始日時 連載状況 (変更時は上方の酉が最新) (連載終了日時) Wiki化の有無 以下は連載開始日時順にソートされています。 現SS板時代 2011年 ◆Break A Law◆ 運び屋『OWL』 44 ◆MJxgI59AoE 2011/07/26(火)01 49 40 連載中 貧乳たちの奇妙な生活 43 ◆U4eKfayJzA 2011/07/09(土)23 31 39 連載中 【ヴァニシング】オリジナルスタンドSSスレ【ライト】 42 ◆929Wc4MY.g 2011/06/18(土)13 18 46 連載中 ◆qb6cW/IIus 【オリスタ】フレイム・スカール【SS】 41 ◆XYGGp0uo6g 2011/06/10(金)22 27 32 連載中 【オリスタ】セクター9の世界【SS】 40 ◆79EFR1u8EY 2011/05/10(火)19 43 40 連載中 【オリスタ】ウルフマザー・ウルフハート【SS】 39 ◆トリップ無し 2011/04/11(月)21 05 47 連載中 【オリスタ】21th century breakdown【SS】 38 ◆gyA66GZtj. 2011/03/10(木)22 23 08 【オリスタ】イエスタデイ・ワンスモア【ss】 37 ◆9O3ahcMo86 2011/02/22(火)14 46 35 No Doubt 36 ◆トリップ無し 2011/01/09(日)05 28 47 2010年 ジャジャとジュジュの珍妙な冒険 35 ◆LglPwiPLEw 2010/11/26(金)20 12 51 OBJECT WAR 34 ◆ElemtaR8vc 2010/11/20(土)13 45 25 【学園企画】いとしのエリー【オリスタSS】 33 ◆OLAi9VIw7M 2010/10/01(金)02 31 25 【オリスタ】リンキン・パークは曲がらない【SS】 32 ◆XksB4AwhxU 2010/09/04(土)18 00 46 【オリスタ】アークティック・モンキーズSS 2 -ソウルメイト-【SS】 31 ◆WQ57cCksF6 2010/08/22(日)02 45 39 連載中 【オリスタ】豊穣の女神は穢れない【SS】 30 ◆ufmHeBWBMM 2010/08/16(月)23 51 13 【オリスタ】小さな正義は夢を見る【SS】 29 ◆AXS9VRCTCU 2010/08/15(日)22 28 24 連載中 【オリスタ】パラレル・ユニヴァース【SS】 28 ◆XBKLFVrvZo 2010/08/04(水)21 23 08 連載中 【オリスタ】偉大なる足跡【学園企画SS】 27 ◆t3A/bYwid6 2010/07/27(火)23 47 35 【ジョン】オリジナルスタンドSSスレ【万】 26 ◆R0wKkjl1to 2010/07/17(土)00 59 21 連載中 【ジャッジメント・デイ~交差するスタンド使い~】 25 ◆neHjiUQ7Jo 2010/05/23(日)20 11 00 「JOJO Extra Story」 24 ◆KUymlgWJVo 2010/05/23(日)01 57 10 【オリスタ】不可能大怪盗銭形妙【SS】 23 ◆トリップ無し 2010/05/13(木)17 04 06 【S・W】オリジナルスタンドSSスレ【C・B】 22 ◆9X/4VfPGr6 2010/05/05(水)17 59 27 【“都心でも田舎でもない何処か”】 21 ◆C4Y..EhV8I 2010/04/23(金)00 09 10 【オリスタ】シャングリラ【SS】 20 ◆トリップ無し 2010/04/06(火)00 05 26 【オリスタ】或るホテルでの出来事【SS】 19 ◆6JEWITNnHo 2010/02/04(木)00 19 18 【オリスタ】U2 -黒い森で啼く蒼い鳥-【SS】 18 ◆70nl7yDs1. 2010/02/03(水)00 38 50 完結 2010/08/07(土)15 25 03 虹村那由多の奇妙な日常 17 ◆U4eKfayJzA 2010/02/02(火)09 27 37 完結 2011/07/07(木)18 06 21 Wiki済 第1編 第2編 第3編 第4編 第5編 第6編 第7編 第8編 第9編-前編 第9編-後編 第10編 第11編 第12編-前編 第12編-後編 第13編 第14編 第15編 第16編 第17編 第18編 第19編 第20編 第21編-前編 第21編-中編 第21編-後編 第21編-おまけ 第22編 第23編 第24編 第25編 2009年 【オリスタ】「RS -超常犯罪捜査班-」【SSスレ】 16 ◆WQ57cCksF6 2009/12/29(火)09 00 13 【インハリット】オリスタSSスレ「宝石の刻(とき)」【スターズ】 15 ◆U4eKfayJzA 2009/11/14(土)01 10 14 完結 2011/01/29(土)13 06 53 Wiki済 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 閑話休題 第六話・Aパート/Bパート 第七話 第八話 第九話 第十話 第十一話 第十二話 第十三話 第十四話 第十五話 第十六話 第十七話 第十八話 第十九話 第二十話 第二十一話 第二十二話 第二十三話 第二十四話 第二十五話 第二十六話・前編/後編 第二十七話 第二十八話 第二十九話 第三十話 第三十一話 第三十二話 第三十三話 第三十四話(分岐) ノーマルエンド 第三十五話-A 第三十六話-A 第三十七話-A 最終話-A トゥルーエンド(IF) 第三十五話-B 最終話-B スタンド紹介 【ジョジョ】浮沈する英国【オリスタ】 14 ◆PAPdncwh4c 2009/11/14(土)23 35 55 【ワム!】オリジナルスタンドSSスレ【Wham!】 13 ◆9X/4VfPGr6 2009/11/14(土)13 11 08 完結 2010/02/20(土)14 57 34 Wiki済 第一話 『Who Wham I ?』 第二話『il mio nome egrave; 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